カレッジスポーツチームのスポンサーシップ営業やグッズ販売などに長く携わってきた大手代理店のLearfieldが「Campus+ 」と呼ばれる新しいスポンサーシップの販売に挑戦している。
Learfieldはこれまで、大学チームが保有する知的財産(チーム名やロゴなど)の使用権を与えたり、チームが管理する施設やメディアを用いて宣伝する機会を提供したりすることによって、スポンサーを獲得してきた。
しかしCampus+では、チームだけでなく、大学が持つ権利や大学のキャンパス内にある様々な施設も活用してスポンサーシップを作り上げる。
たとえば、ルイビル大学の場合、Learfieldは大学事務とタッグを組み、スポンサーになりそうな企業を選定した。その結果、Canonと長期スポンサー契約を結ぶことに成功した。この契約によってルイビル大学は毎年100万ドル以上のスポンサー収入を得ることになるという。
一方で、Canonはキャンパス内にあるすべてのプリンターを提供する権利を得た。また、学生が印刷等をする学生センターに同社のロゴを掲載するなど広告の機会も得ている。さらに同社はルイビル大学のチームであるカージナルスが保有する施設を用いた宣伝を展開することも検討している。
近年アメリカでは、州立大学への補助金が削減されており、多くの大学が資金繰りに苦労している。ところが、大学事務はスポンサーシップ販売に必要な知識・経験・人脈が乏しい。それらを兼ね備えるLearfieldが提供するCampus+は、大学に新たな収益源を提供するものとして注目されている。
一方で、従来のスポンサーシップ販売にはなかった課題もある。
たとえば、これまでは、チームの許可さえとればどの企業と交渉しても基本的には問題なかったが、Campus+では教授、学生、卒業生など様々な関係者からの了承が必要になる。
プリンターのようにキャンパス全体で必要とされる商品の場合は賛同が得られやすいだろうが、今後どこまでスポンサー企業を広げていけるかは未知数である。
現在Learfieldは、ルイビル大学を含め10の大学とCampus+の契約を結んでいる。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/11/26/Colleges/Learfield.aspx
“「大学チームのスポンサー」から「大学のスポンサー」へ” への 1 件のフィードバック