NBAとUnitedMasters

UnitedMastersという会社をご存知だろうか。

これは2017年11月に設立されたばかりの音楽配信サービス会社で、まだレコード会社と契約していない無名の歌手に楽曲を発表する場所を提供することを目的にしている。

ユーザーは自分で録音した楽曲をUnitedMastersのアプリ上にアップロードし、それを受けたUnitedMastersは、同社のアプリおよび業務提携を結んでいるSpotifyやPandoraといった音楽配信サービスを通してその楽曲を人々の耳に届ける。

歌手の立場からすれば、従来のようにデモテープをレコード会社に配る手間が省ける。一方で、音楽ファンはUnitedMastersに投稿される楽曲を聴いて、これから世に出ていく歌手を発掘する楽しみがある。また、映像制作をしている人々にとっては、自身の作品でBGMとして使用する楽曲を手軽に見つけることができる。

そのUnitedMastersが2018年11月、NBAとの業務提携を発表した。

この契約の結果、NBAはハイライト動画などのBGMとしてUnitedMastersに投稿された曲を無料で使用できるようになる。一方で、BGMに採用された歌手は何億というNBAファンから注目を集める機会を与えられる。実際に歌手が有名になる場所として認知されれば、UnitedMastersを使用する歌手も増加する。NBAとUnitedMasters、両者にとって有益な業務提携である。

また、今回の提携は、NBAにとって 楽曲を無料で使用できること以上のメリットがある。

まずは、ブランディング。NBAは、北米四大スポーツリーグの中でも特に革新的なリーグとして知られる。駆け出しの歌手が有名になるための機会を与えるような印象は、同リーグの革新的なイメージと一致しており、さらなるブランド構築に貢献する。

さらに、NBAはファンベースの拡大も期待している。たとえば、ある歌手の曲をNBAが使用したのがきっかけでその歌手が人気になった場合、その歌手だけでなくその歌手のファンもNBAに感謝するだろう。結果として、NBAはより多くの人々から支持を受けることができる。

NBAはすでにUnitedMastersに投稿された曲を使用し始めている。たとえば、SWAYYVOという歌手のZONEという曲はNBAのハイライト動画に使用され、Twitter上で6万回近く再生されている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Daily/Issues/2018/11/08/Marketing-and-Sponsorship/NBA-UnitedMasters.aspx
https://techcrunch.com/2018/11/09/new-unitedmasters-deal-will-enable-its-artists-get-play-across-nba-properties/
http://www.nba.com/article/2018/11/08/nba-unitedmasters-partnership-musicians

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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