Fanaticsはこれまでeコマースから、ライセンシー、そしてグッズの生産者とその守備範囲を拡大してきた。そのFanaticsがデータアナリティクスという分野に足を踏み入れた。
2018年10月、Fanaticsは2日間のイベントを開催した。このイベントに招待されたのは、同社が提携している大学スポーツチームの中でも特に重要なクライアントである数チーム(フロリダ大、マイアミ大、オレゴン大、テキサス大など)。小規模で閉鎖的なイベントである。
このイベントで紹介されたのが、「Fantelligence」という新サービス。これはFanaticsが収集した膨大な顧客情報を分析し、その結果をチームに提供するというものである。
以前の投稿で紹介したように、Fanaticsは様々なスポーツリーグ・チームと提携しており、多くのスポーツファンが同社のホームページを利用してグッズを購入している。グッズの購入には名前や住所を入力する必要があるため、Fanaticsは日々新たな顧客情報を入手している。
その一方で、スポーツチームも独自に(チケット販売等を通じて)顧客情報を収集している。
チームが保有する顧客情報、そしてFanaticsが収集した顧客情報。この2つを比較することで潜在顧客(特に潜在的なシーズンチケット購入者・寄付者)をあぶりだすことがFantelligenceの目的である。
チケットを買うのはファン。グッズを買うのもファン。では、2つの顧客情報に違いはあるのだろうか?
Fantelligenceの発起人となったChris Prindiville氏は以下のように語る。
「Fanaticsの顧客情報に基づいて特定した重要顧客トップ10のリストをチームに見せると驚かれる。チームはそのほとんどを知らないんですよ。」
試合を見に来る熱狂的なファンは往々にしてグッズの購入者でもある。しかし、グッズの購入者が試合を見に来るとは限らない。多くのグッズを購入していながら試合には足を運ばない人々が一定数存在する。これがFantelligenceがもたらした知見である。
なお、Fanaticsは今後プロスポーツチームにもFantelligenceを提供する予定である。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/11/12/Colleges/Fanatics.aspx