アメリカで存在感を増す「南アジアマーケット」

マーケティングで重要なプロセスにマーケット・セグメンテーションがある。巨大なマーケットをいくつかのセグメントに分けて、ターゲットとなるセグメントを特定する。これによってより効率的に消費者のニーズを満たし、売り上げを上げることができる。

ターゲットを選ぶ際にはその大きさが重要になるが、この「大きさ」は単純な人口だけではない。それがいかに拡大しているか、ある特定の地域にどれくらい固まっているか、そしてどれくらいの購買力があるか。こういった要素を総合的に分析し、その「大きさ」を判断する。

そのいい例となるのが、アメリカにおける「南アジア人」というマーケットである。

ここでいう「南アジア人」とは、バングラデシュ、ブータン、インド、モルディヴ、ネパール、パキスタン、スリランカ、そしてアフガニスタンという国々からの移民、もしくはその血を引く人々を指す。ちなみに、このマーケットの約80%を占めるのはインド系アメリカ人である。

アメリカには、およそ450万人の南アジア人が住んでいる。この人口自体はさほど大きくはないが、2000年と2013年のデータを比較すると、その人口は97%増加しており、アメリカで最も拡大しているグループである。

特筆すべきはその所得で、年収の中間値は8万ドル(およそ900万円)を超えている。これはあらゆる民族グループのなかで最高の数字である。さらに他のアジア系アメリカ人と合わせると、その購買力は2020年までに1.1兆ドルに達する見込みである。

ここで興味深いのは、この南アジア人のほとんどがスポーツチームが本拠地とする大都市に集中している点である。

たとえば、南アジア人が最も多く住んでいるニューヨーク、シカゴ、ワシントンDC、ロサンゼルス、そしてサンフランシスコには、合計で41ものプロスポーツチームがある。


この動向をスポーツチームも把握しており、各地で「南アジア・ナイト」「インド・デー」といったイベントが開催されている。たとえば、サクラメント・キングスは、2014年、地元のシク教コミュニティと協力して「Kaurs Singhs and Kings Night」というイベントを開催。試合前とハーフタイムにパンジャーブの音楽とダンスを披露した。同チームは2018年にも「Bollywood Night」というインドをテーマにしたイベントを開催している。

こういったイベントは、様々なファンにその民族について知ってもらう機会にあり、ひいては、様々な文化に対して寛容な雰囲気を醸成することにもつながる。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/11/12/Opinion/SouthAsians.aspx

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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