近年、スポーツビジネスの現場でAIが活用され始めている。
たとえばゴルフのPGAは、観客の歓声や選手のリアクションなどのデータをもとにハイライト映像を編集するAIを導入している。
現在、全米テニス協会(USTA)は、AIを選手強化のために活用している。
2018年夏、USTAのハイパフォーマンス・コーチング部は、それまで撮り貯めておいた何千時間という膨大な資料映像をAIに読み込ませた。AIは、そのデータを用いて選手のパフォーマンスを分析する。協会はその分析結果をもとに、ジュニア選手からトップ選手まで、個々の選手にあったトレーニングレポートを作成している。
たとえば、ある選手がミスをしたあとに、それがパフォーマンスに好影響を与えるのか、悪影響を与えるのか、それともまったく影響はないのか、という情報がコーチに渡される。コーチはそういった傾向を知ることで、その選手の特性を理解することができ、より効果的なコーチングが可能になるという。
担当者のElizabeth O’Brien氏は「私たちはビデオを豊富なデータ源と捉えています」と話す。「人間がビデオを見るだけでは気が付かないようなこともすべてデータとして取り込めます」。
AIの導入前、選手の動きなどは手作業で入力しなくてはならなかった。当時2時間かけて行っていた作業は、現在2分で片付くという。
参考文献:https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/09/17/Leagues-and-Governing-Bodies/USTA-AI.aspx