2018年8~9月に開催されたUS Openは、ESPNが映像制作を担当し、その映像がテレビとネット上で中継された。
同大会では16のコートが使用されるが、ESPNは今回初めて、そのすべてのコートで映像制作を行った。それを可能にしたのが、ロボットカメラの存在である。
従来は、カメラマンがコートに配置され、その他多くのスタッフが制作室でカメラマンへの指示や編集等を行ってきた。今回のUS Openでも、16コートのうち7コートではこの方法が採用された。
一方で、残りの9コートの映像は、Viboxと呼ばれるロボットカメラを活用した制作方法が用いられた。Viboxの場合、必要なスタッフは2名だけ。一人がリモコンでカメラを操作し、もう一人がプロデューサー兼ディレクターとして、カメラアングルの選択やリプレイの挿入などを行う。
Viboxは従来の方法に比べ、かなり効率的に映像制作ができ、しかも映像のクオリティは従来のものに全く劣らないという。
ESPNは、2018年4月にESPN+というネット中継チャンネルを設立し、現在同チャンネル用のコンテンツ充実を図っている。Viboxの導入はそれに大いに貢献しそうである。
参考文献:https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/09/03/Media/USOpen-production.aspx