チケットビジネスの動向③ セカンダリー・マーケット

セカンダリー・マーケット(二次市場)とは、すでに購入されたチケットを再び売買する市場を指し、アメリカではTicket MasterやStubHub、SeatGeekといった企業がその運営を担っている。

もともとセカンダリー・マーケットは、スポーツリーグ・チームから完全に独立して運営されていた。しかし、あまりに多くの消費者がそこでチケットを購入するため、スポーツリーグ・チームがセカンダリー・マーケットの運営会社と業務提携を結ぶケースが増えている。

契約内容は様々だが、一般的には、売上の数%と顧客データがリーグ・チームに提供される。

象徴的なケースがある。2017年のワールドシリーズで戦ったロサンゼルス・ドジャースとヒューストン・アストロズは全く異なるチケット戦略を持っていた。

ドジャースは放任主義。セカンダリー・マーケットに介入せず、相当数いたダフ屋も黙認していた。一方、アストロズは、Eventellectというチケット会社と業務提携を結び、セカンダリー・マーケットを管理していた。

2017年ワールドシリーズのチケットは、セカンダリー・マーケット上で1100~1300ドルまで高騰した。その結果、ドジャースのホームゲームで、ダフ屋の儲けは計1500万ドルにも達したと伝えられている。しかし、そのうち1銭もドジャースには還元されない。

一方、アストロズのホームゲームに関しては、Eventellect社がセカンダリー・マーケットを管理していたため、その売り上げの一部がアストロズに共有されたと見られる。

そのワールドシリーズから数か月後の2018年2月、ドジャースは放任主義から方針転換。Eventellect社との業務提携を発表した。

拡大を続けるセカンダリー・マーケット。収入増加と顧客情報獲得のために、自らセカンダリー・マーケットを設立・運営するチームも現れている。

ボストン・レッドソックスは、Red Sox Replayを創設し2016年からサービスを提供している。Red Sox Replayでは、チケットの売り手がチケット価格を設定できるが、売り上げの10%が手数料としてレッドソックスに徴収される(シーズンチケット所有者の手数料は5%)。一方で、利用者はレッドソックスが管理するセカンダリー・マーケットで、より信頼性の高いサービスを受けることができる。2016年シーズンは、85,000以上のチケットがRed Sox Replayで売買された。

参考文献:
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/10/30/Events-and-Attractions/World-Series.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/02/12/Franchises/Dodgers-Eventellect.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2016/11/21/Franchises/Red-Sox-Replay.aspx

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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