ここ2~3年、北米スポーツ業界で注目を集めているのが、サブスクリプション・チケットである。顧客は、毎月(もしくは毎年)決まった金額を支払い、好きな時に好きなだけ試合を観戦することができる。
たとえば、オレゴン州立大学は、2016年からSQUADという月額制チケットサービスを提供している。このサービスでは、月額20ドルを払えば、同大学のスポーツをいつでも好きなだけ観戦することができる(人気のアメフト・バスケットボールの試合も含む)。
SQUADは、主に若い年代の卒業生をターゲットにしている。従来は、学生席チケットと寄付者用のボックス席チケットという2種類しかなかったが、オレゴン州立大学が行った調査によれば、そのどちらもターゲットのニーズは満たしていなかった。
同大学のLassiter氏は「Netflixにしても、携帯電話にしても、月額制でしょう。そのうえで、顧客がいつどのようにサービスを受けるか決定する。それが現代のライフスタイル。それなら、それをスポーツに応用してもいいでしょう」と話す。
プロスポーツでは、MLBの20チーム以上が「Ballpark Pass」というサブスクリプション・チケットを販売している。Ballpark Passは、毎月20~30ドルで基本的にいつでも観戦ができる(ただし、立見席)。
MLBの調査によれば、Ballpark Passは若い世代を中心に受け入れられ、 2017年にはリーグ全体で90万回使用された。
サブスクリプション・チケットが人気を得ている背景には、Netflixなどの定額制のエンターテインメントが消費者の間に浸透したことがあると考えられる。
参考文献:
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2016/05/23/Colleges/Oregon-State.aspx
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/06/26/Leagues-and-Governing-Bodies/Ballpark-Pass.aspx
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