チケットビジネスの動向① チケットビジネスのパラダイムシフト

ここ数年、北米スポーツ業界では、チケットビジネスが大きく変化している。これまでは、チケットというと、一般チケット(その試合のためだけの個人向けのチケット)、グループチケット、シーズンチケットくらいのバリエーションしかなかった。しかし、今日、消費者はよりユニークで柔軟性の高いチケットを求めている。

たとえば、シカゴ・カブスは8試合分・14試合分のチケット・パッケージを販売している。このチケット・パッケージを購入しておけば、自分が行きたい時に試合を観戦することができる。同僚と仕事終わりにふらっと試合観戦に行くということも可能である。これが「柔軟性の高いチケット」である。

これまでのシーズンチケットは、全ホームゲームのチケット・パッケージになっていることが多く、ファンに選択の余地が残されていなかった。その結果、「行かないと元が取れない」「せっかく買ったから行かないと」という不安感や義務感を抱くファンも多かった。

オーランド・マジックが行った調査によれば、シーズン・チケットの更新を止める最大の理由は、「買った分のチケットを使いきれないから」というものであったという。

顧客に選択の余地を残しておくこと。これがこれからのチケットビジネスの大きなテーマとなるだろう。

もう一つ、消費者の変化とともにチケットビジネスの変化に貢献しているのが、モバイル技術の進歩である。

NFLやNBAといったメジャーリーグのほとんどは、自前の携帯アプリを持っており、ファンはそのアプリ上でチケットを購入・ダウンロードできる。チケットを忘れたり失くしたりする心配がなくなり、ファンとしては使いやすい。また、チームにとっても「チケットを印刷・郵送するコストが省ける」「顧客データを収集できる」という大きな利点がある。

NFLの14チームは、2018年シーズンを前に、紙のチケットを完全に廃止し、すべてのチケットをモバイルチケットに移行したという。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/08/13/Opinion/Giles.aspx
https://www.mlb.com/news/cubs-2018-ticket-packages-on-sale/c-262344664
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2016/04/04/Franchises/Magic-Money.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/09/03/Leagues-and-Governing-Bodies/NFL-tickets.aspx

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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