2016年、当時サンフランシスコ・フォーティナイナーズに所属していたコリン・キャパニックは、人種差別への抗議として国歌斉唱中の起立を拒否した。
キャパニックの始めた抗議運動は、広く関心を集め、近年のアスリートによる社会運動の象徴となった。
キャパニックはその後自由契約となったが、2018年9月、ナイキがそのキャパニックを同社のCMに起用したことが再び波紋を広げた。このCMでキャパニックは「何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にしても」というメッセージを投げかける。

このCMは大きな反響を呼んだ。
ソーシャルメディア上では、CMが流れた翌日までに270万以上の投稿があり、その中にはナイキの製品を切り刻んだり燃やしたりする動画を投稿してナイキのボイコットを呼びかける人もいれば、反対にナイキへのサポートを表明する人も多くいた。
こういった消費者の反応を受けてナイキ社の株価も変動した。
株価は一時的に下落したものの、その後高騰し、最終的に同社の過去最高の値が付いた。
このように、アスリートの社会的なメッセージは社会全体に大きな影響を与え得るものになっている。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/07/30/Opinion/Lapchick.aspx
https://www.blackenterprise.com/colin-kaepernick-nike-social-media/
https://www.cbsnews.com/news/nike-stock-price-reaches-all-time-high-despite-colin-kaepernick-ad-boycott/